行政書士で、果たして食えるのか、食えないのか?
これはもう、行政書士で開業を考える人にとっての「永遠のテーマ」と言ってもいいのかも知れません。
なにしろ、私が試験に合格した二十年以上前から、ずっと同じようなことが繰り返し言われ続けているのですから。
まだ開業前の身である私には、この問いに答える資格もなければ、その能力もありません。
ただ、この問いについては、多くの先輩行政書士の方々が、それぞれの立場から貴重な意見を出してくださっていますので、それらを参考にしながら、自分なりの答えを探っていくしかないのかも知れません。
いろいろと言われているなかで、最もよく言われていることが、「行政書士で食えるようになるためには、実務とマーケティングの両方をしっかりと学ぶ必要がある」ということではないでしょうか。
「実務とマーケティング」
確かに、この両方が揃っていれば、行政書士という資格を生かして食べていくことは十分に可能なのかも知れませんし、実際、多くの先輩行政書士の方々が、そのことを実証してくださっていることも事実なのだと思います。
しかし、言うは易く行うは難しです。
仮に業界未経験で開業する場合、はじめからその両方をマスターしたうえで開業できる人が、一体どれ位いるものなのか。
おそらく、実務とマーケティングのどちらかでも習得できていれば上出来で、実際にはそのどちらにも不安がある、という人が結構いらっしゃるのではないでしょうか。
かく言う私も、その一人に違いありません。
行政書士の実務経験もなければ、マーケティングに精通しているわけでもなく、すべては開業後に体当たりで学んでいく他はないような状態です。
それでは無謀過ぎると言われるかも知れませんが、ビビッてばかりいても始まりません。
開業すると決めたからには、愚直にやれることを少しずつでもやりながら、前に進んでいく他にはやりようがない。
もちろん私は、実務とマーケティングの勉強などどうでもいい、などと思っているわけではありません。開業前でも自分でできる限り、どちらも学んでおく必要があると思っていますし、そのための努力も怠るつもりはありません。
ただ、どんな仕事もそうだと思いますが、仕事というのは、実際にやってみないとわからないことがたくさんある。
行政書士という仕事も、開業前よりも開業後に学ばなければいけないことが、おそらく山のようにあるのではないでしょうか。
大切なのは、謙虚に学ぶ姿勢を維持し続けることだと思います。
行政書士は食えるのか?という初めの問いからは随分外れてしまいましたが、結局まだ開業前の身である私には、食えるようになるよう努力する他はない、としか答えようがないというのが正直なところです。