前のブログにも書きましたが、私はまったくの初学者からスタートして、半年ほどの勉強期間で試験に合格することができました。
ですが、それが結果的に良かったのかと言えば、必ずしもそうとは言い切れません。
なぜなら、確かに試験に合格こそはできたものの、その時点での自分の法律の知識に、全然自信が持てなかったからです。
一言でいって、あまりにも知識が貧弱過ぎる!
「街の法律家」という謳い文句にもある通り、行政書士は「法律専門職」に属する資格です。
ということは、お客さんからすれば、法律に詳しいその道の「先生」と見られても不思議ではない、ということです。
私は、自分自身に問い質してみました。
今の自分にその資格があるのか?
答えは「否」でした。
私が合格してすぐに開業に踏み切れなかったのは、資金がない、というのもありましたが、それと同じくらい、自分の法律の知識に自信が持てないということも、大きな理由の一つになっていました。
私はせめて、大学の法学部出身者に負けないくらいの知識は身に着ける必要がある、と考えました。
そこで私は、「基礎法学」「憲法」をはじめとして「民法」や「刑法」などの「六法」に属する法律を中心に、専門書を読んで一から学びなおすことにしました。
私はそれまでの仕事を続けながら、一冊数百ページを超えるそれらの専門書を、じっくりと時間をかけて読み込む作業に取り組んでいきました。
一通り学び終えるのに数年かかりましたが、逆に言えば、それだけの時間をかけて学んだことが、私のなかでの静かな「自信」となって根付いてくれているように感じています。
所謂一般的な法律の知識と行政書士の実務の知識とは、必ずしも一致するわけではありませんが、それでもそういう過程を経たことは、これから行政書士で開業し、活動していこうとしている私にとって、決して無駄なことではなかったと思っています。