行政書士試験の勉強、私の場合は完全に独学でした。行政書士の試験を受験するということも、妻以外の誰にも話していませんでしたので、勉強法その他一切誰にも相談することはありませんでした。
私は、大学も法学部ではなく、それまで「法律」を学んだことはほとんどありませんでした。高校の「政治・経済」の授業で、「三権分立」ぐらいは学んだ記憶がありましたが、本当にその程度のレベルで、あとは何も知らないところからのスタートでした。
しかも、受験を決意してから本番までは、半年くらいの期間しかありませんでしたので、所謂「専門書」を読み込む余裕などはなく、私は、行政書士の試験に特化した基本書を中心に勉強を進めていきました。
私が勉強した主なテキストを挙げてみると、大体以下の通りです。
・合格基本書
(確かLECの「出る順」だったと思います。)
(残念ながら、今は出版されていないみたいです。)
(これも、今は出版されていないようです。)
・『元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術』ダイヤモンド社
(これは今でも改訂版が出て、版を重ねているようです。)
・行政書士試験用の法律用語集
(手元に残っていないため書名は不明です。)
ほぼ、そんなところだったと思います。
現在行政書士試験の合格を目指している人には、ほとんど参考にならないほど貧弱な勉強内容だと思います。
ただ、これは試験の勉強とは関係なく読んだのですが、法律初学者で、しかも独学で勉強しようとしている私にとって、特に印象に残った本があります。
それは、岩波新書のなかにある『法とは何か』(渡辺洋三著)という本です。出版年も古く、内容的にも行政書士の試験に直結するものではありませんが、しかしここでは、法を学ぶということがどういうことであるのか、そういう根本的な問いについて非常にわかり易く書かれています。
しかも、法学者はまさにこうであって欲しいと思うような、一法学者としての良心に裏打ちされた、明快な文章で論旨が展開されていきます。
私はこの本を読んで、「法律を学ぶことには確かな意義がある」と思えるようになったのと同時に、試験の勉強への励みにもなったことを覚えています。