「プライドが何だ!プライドなど、傷つくだけの厄介なものだ。捨てちまえ!」
これは、タランティーノ監督の映画『パルプ・フィクション』のなかで、ボクサーである主人公に、八百長を強要するマフィアのボスが言い放ったセリフです。
私は初めて観た時から、何故か記憶に残っています。
幸か不幸か、私は、傷つくほどの厄介な「プライド」を持ち合わせていません。
会社勤めで、私くらいの年齢であれば、部長や役員などの重要な役職に就いていても、まったく不思議のないことだと思います。
そういう人たちであれば、自分が会社のなかで築いてきたキャリア、その証としての「肩書」に、それ相応の「プライド」を持つということは、当然のことかも知れません。
しかし、私には、そういうものは少しもありません。
ある意味それは、私にとって独立開業するうえでの「強み」ではないかと思っています。
大抵の場合、行政書士で独立開業するということは、それまでのキャリアを一旦リセットするということです。
それまでの仕事でどんな肩書があったとしても、独立してしまえばまた一からのスタートです。
そんななかで、以前の肩書に「プライド」を持っていればいるほど、ついそれが邪魔をしてしまうようなことが、往々にしてあるかも知れません。
けれども私には、そんな「プライド」などは微塵もありません。
私は、行政書士で独立開業する場合、年齢や肩書それまでのキャリアなど、ほとんど意味のないことだと思っています。ただ単純に、自分で仕事を獲得し、しっかりと売上を上げたものが生き残る、そういう世界だと思っています。
それに私は、自分が「プライド」を持っていないからと言って、決して「卑屈」になっているわけではありません。
私は、「プライド」にこだわるということと、本当の意味で「自信を持つ」ということとは、全然別のことだと思っています。
行政書士として独立開業するうえで、私が真に身に着けたいと願っていることは、他人からの評価に依存する「プライド」などではなく、日々仕事を実践する中から生まれてくる、確かな「自信」であることに、間違いはありません。
私にとっては、マフィアのボスではありませんが、傷つくだけの厄介な「プライド」など、まったく無用のものでしかありません。