映画「ライトスタッフ」を、久しぶりにDVD鑑賞しました。
1983年制作のアメリカ映画 監督はフィリップ・カウフマン
この映画、観るたびに泣けて仕方がありません。主演のサム・シェパードもカッコいいのですが、それ以上に、スコット・グレンやデニス・クエイドなど、脇を固める俳優たちの表情が実にいい。見ているだけで、訳もなく泣けてきます。
舞台は1940年代から50年代にかけてのアメリカ。サム・シェパード演じる主人公は、砂漠の真ん中にある空軍基地で戦闘機の限界に挑み続けるテストパイロット。その周囲には多くの優秀なパイロット達が集まって来る。
やがて時代は宇宙飛行の時代へ。あくまでも戦闘機のパイロットであることにこだわり続ける主人公。一方で宇宙飛行士として新しい任務に挑戦しようとする仲間たち。
国家計画という大きな流れのなかで、いちパイロットとしての誇りを保ち続けようとすることにどちらも変わりはなく、お互い同士は尊敬の念で結ばれている。
その清々しい姿が本当に胸を打つ。
宇宙飛行士としての任務に失敗したかつての仲間を周囲が嘲笑するなか、サム・シェパード扮する主人公は、「サルは任務の危険を知らない。任務の危険を承知で挑んだ彼は立派だ」と擁護する。
7人の宇宙飛行士の中で最後に飛び立ったパイロット(デニス・クエイド)が、「誰が最高のパイロットと思うか」との記者からの質問に、華やかな場所にいる自分達とは全く別なところにいる主人公のことを一瞬思い出す場面。
この作品には、力強く雄渾なテーマ音楽と共に、いくつもの印象的な場面があって、全体を通しても、「国家」という巨大な力を前に勇気を持って行動する人間の姿が見事に表現されており、私は実に感動的で、素晴らしい映画だと思っています。